94 まだまだ勉強不足です
人物:臼井(女)長島(男)姜玉明(男)
場面:大学で、中国人留学生を囲んで
臼井:長島さん、ちょっといい?
長島:あ、臼井さん。はい、いいですよ。
臼井:ご紹介します。こちらが、この前お話した姜さんよ。
長島:ああ、はい。初めまして。長島です。
姜:どうも、初めまして。姜玉明と申します。どうぞよろしくお願いします。
長島:こちらこそ、どうぞよろしく。姜さんのことは,臼井さんからいろいろ聞いています。とても勉強熱心で,頑張り屋の留学生がいるって。
姜:いえ,そんなことはありません。いつも怠けてばかりで。
長島:いやいや、立派ですよ。それだけ日本語が上手なら、きっと一生懸命勉強したんでしょう?
姜:いいえ、まだまだ勉強不足です。それに、日本語も下手で、ちっとも上達しません。
臼井:またまた、姜さん、ご謙遜。長島さん、姜さんはね、よくできるのに、腰が低くてちっとも威張らないのよ。ものすごい努力家だし。
長島:そうだろうなあ。でも姜さん。僕たち、お世辞なんかじゃなく,ほんとに姜さんのこと褒めてるんだから,自信持っていいんだよ。
姜:ありがとうございます。恐縮です。
臼井:ほんとに感心しちゃうわ。私たちも見習わなくっちゃあね。
長島:ああ、そうだな。僕なんか、中国語どころか、英語もだめだからな。
臼井:あ、そうそう。姜さんはね、英語もぺらぺらなのよ。
長島:へえー。そりゃあすごいや。じゃあ、三カ国語操れるトリリンガルってこと?
姜:いえ、とんでもありません。何不自由なくしゃべれるのは中国語だけです。
臼井:またあ、姜さん。そんなに照れなくったっていいのよ。
姜:いいえ、ほんとに。僕なんか、みんなについていくのが精一杯で、もっとも勉強しなければいけないって、いつも焦っているんです。
長島:偉いなあ。姜さん見てると、遊んでばっかりいる自分が恥ずかしくなるよ。
臼井:ほーんと。自分たちも、もっともっと勉強しなきゃあって、励まされるよね。
長島:そうだ。ねえ、姜さん、一週間に一度くらいでいいから、僕に中国語教えてくれない。
姜:僕がですか?いやあ、人に教えたことなんて一度もないので・・・
長島:大丈夫だよ。姜さんなら、きっとうまく教えられるよ。それに、中国のこともいろいろ知りたいし。僕と気軽におしゃべりする気持ちでいいんだよ。
姜:それでしたら、僕にもどうにかできるかもしれません。あまり自信はありませんが。
長島:そんなに堅苦しく考えないで。でも姜さん真面目だから仕方ないか。
姜:はい。これは僕の性格ですから、自分でもどうしようもありません。(笑)