普段、「アスパラ」「コンビニ」「スマホ」などの短縮語を何気なく使っているが、元の言葉をどのように短くしているのか法則性がハッキリしていないものが多い。第6回は、日常的に使う短縮語について勉強していこう。
日语中经常使用的缩略语,像“アスパラ”(芦笋)、“コンビニ”(便利店)、“スマホ”(智能手机)之类的,平时没想太多就那么用着。但我们对它们是怎么从原来的词语省略过来的、这当中的规律并不清楚。在连载第6回,让我们一起来学习一下日常生活中使用的缩略语吧!
第一回:”結構です”是日语肯定表达还是否定表达?
第二回:让外国人疑惑不解的日语有?
第三回:日本人说话好用否定形式?
第四回:日本人常把”すみません”挂在嘴边?
第五回:“总是承蒙您照顾”非说不可?
長尾:私のところの生徒さんは、「日本語の短縮語のルールが分からない」と怒っていました。「アスパラ」とか「コンビニ」とか「パソコン」などです。元の言葉をどのように短くするか、法則性がハッキリしないと言うんです。確かに「アスパラ」と「コンビニ」は元になる外来語の後ろを省略したものですが、「パソコン」や「スマホ」は適当に音を間引いているように見えますね。「ケータイ」に至っては、外来語ですらありません。
长尾:我教的学生抱怨日语中缩略语——像“アスパラ”(芦笋)啊、“コンビニ”(便利店)啊、“パソコン”(个人电脑)等等词语的形成规则不明了。如何从原来的词语变成缩略语的,完全无规律可言。确实,像“アスパラ”(アスパラガス的省略)和“コンビニ”(コンビニエンスストア的省略)是省掉了原来外来语后面的部分,而“パソコン”(パーソナル-コンピューター的省略)和“スマホ”(スマートフォン的省略)则像是随便挑选几个音节转化而成的,甚至人们都不把“ケータイ”(携帯電話)当外来语。
セイン:日本人は略語を作るとき、なるべく4文字になるようにしているみたいですね。英語で「4-letter word」というと、立派な人が口にするべきではないスラングのことを言いますが、どうして日本人は4文字が好きなんでしょう?
Thayne:日本人创造缩略语时喜欢尽量弄成4个字呢。但在英语中,“4-letter word”(四字单词)是有地位的人不会用的俚语,日本人为什么那么喜欢4个字呢?
長尾:4文字というより4拍と言った方が正確だと思いますが、必ずしも日本人は4拍ばかりにこだわっているわけではないと思いますよ。傾向としては、5拍以上の言葉は2~4拍の略語にするようです。例えば「アルバイト」は5拍なので「バイト」と3拍に、「アイスクリーム」は同じく3拍の「アイス」になるわけです。一方、警察用語の「犯人」は「ホシ」と2拍、「刑事」も「デカ」で2拍です。
长尾:我觉得日语缩略语与其说是4个字,不如说是4拍更确切,我也不觉得日本人只执着于4拍,他们只是更倾向于把5拍以上的单词缩略成2~4拍。比如说5拍的“アルバイト”(打工)被省略成3拍的“バイト”,同样5拍的“アイスクリーム"(冰淇淋)被缩略成3拍的“アイス”。另外,警察行话会把“犯人”(读作はんにん,4拍)说成2拍的“ホシ”、“刑事”(读作けいじ,是有3拍)说成2拍的“デカ”。
セイン:ぼくの名前は3拍なので、省略されないのですね。ああよかった。
Thayne:还好我的名字“セイン”是3拍,不用被缩略,太好了!
「全然OKです」は、ダメなの?
不能说“全然OKです”吗?
セイン:「明日の約束を、来週に延期してもいいですか?」と聞かれたので、「全然OKですよ」と答えたら「ブッブー。その日本語はNGです」と言われました。ぼくが間違ったのは直しますが、NGという日本語もNGですよね。
Thayne:一次别人问我,“能不能把约会推迟到下星期?”我回答说“全然OKですよ”(完全没问题),结果那个人说,“错!错!这句日语NG”,虽然他纠正了我的用法,但我觉得他说的“NG”也不准确吧!
長尾:「どっちもどっち」という日本語のとおりの状況ですね。まず「NG」から片づけましょうか。セインさんはご存じだと思いますが、「NG」は「No good.」の短縮形です。「No good.」は英語でも使われる表現だそうですが、ネイティブは「NG」という短縮形は使わないと聞きました。
长尾:你们两的情况就是日语中的“どっちもどっち”(半斤八两、彼此彼此),双方都有问题。先来看“NG”吧!Thayne应该也听说过,“NG”是“No good.”的缩略形式,虽然英语中也有“No good.”这一说,但听说本地人是不用“NG”这个缩略语的。
セイン:そのとおりです。「No good.」を「NG」と略すやり方は、日本に来て初めて知りました。
Thayne:是的,本地人不那么用,“NG”是“No good.”的缩略,我还是到日本后才知道的。
長尾:これは発展途上だったころの日本の放送業界で生まれた表現だそうです。
长尾:据说这是日本仍处于发展中国家时广播界诞生的词语。
セイン:似たような略語に、最近インターネットでよく見かける「GJ(Good job.の略)」があります。英語で「Good job.」はありふれた表現ですが、「GJ」と略す表記法はありません。もうひとつ、最近流行している和製英語で「マイブーム」というのがあります。「my boom」と書くらしいのですが、これは完全に和製です。
Thayne:与“NG”相似的缩略表现还有最近经常在网上看到的“GJ(Good job.的省略)”。英语中经常使用“Good job.”,但不会像日本一样省略成“GJ”。还有最近流行的和式英语“マイブーム”,好像是写作“my boom”,这个也完全是日式英语。
「全然OK」は実は先祖返り
“全然OK”(完全可以)其实是语言返祖现象
長尾:「マイブーム」というのは、マンガ家のみうらじゅんという人が発明したらしいですよ。話を元に戻しましょう。次は「全然OKです」のほうですが、本来「全然」は否定的な表現を強調する言葉として広く使われてきました。「全然ダメだ」「全然分からない」といった使い方です。だから「全然いい」とか「全然OK」は間違いだという意見の人が多いのですが、明治時代の夏目漱石の作品や戦前のマンガには「全然+肯定表現」という使い方が当たり前のように見られます。つまり、「全然OK」は先祖返り的な使い方と言えます。「まだまだ違和感を持つ人は多いが、間違いとはいえない」といったところでしょう。
长尾:据说“マイブーム”是漫画家MIURAJUN发明的哦!回到我们刚才的话题,接下来就是“全然OKです”的使用。“全然”一直作为强调否定的表达被广泛使用,像“全然ダメだ”(完全不行)、“全然分からない”(完全不懂)。所以很多人会觉得“全然いい(很好)”、“全然OK(完全OK)”是错误的。但其实在明治时代,夏目漱石的作品及战前漫画中都出现过“全然+肯定表现”的用法,可以说“全然OK”的重新使用是一种语言的返祖现象,算是处在一个“很多人仍觉得别扭,但不能说是错”的状态吧。
「普通においしい」は、いまや普通?
“普通においしい”已经普及开了?
長尾:それと同様に、「よく食べません」という表現を使う日本語学習者がいますが、「よく」はプラスの頻度をあらわす言葉ですから、後ろに否定的な語がつくのは間違いです。「あまり食べません」「よく食べます」が正しい使い方です。そういう言い方をしてしまうのは「お米をよく食べますか?」のような質問に対して、否定的な答えを返すときが多いようです。「よく食べますか?」→「よく食べます」、「よく食べますか?」→「あまり食べません」という関係をきちんと理解して使えるようになるのは、かなり日本語に慣れた人でしょう。
长尾:与之相似的,有些日语学习者会使用“よく食べません(不经常吃)”。“よく”是表示肯定的词,后面接否定的用法是错误的。说“あまり食べません”(不怎么吃)和“よく食べます”(经常吃)才是正确的。在回答“お米をよく食べますか?”(你经常吃米吗?)时,日语学习者容易错答成“よく食べません”(我不经常吃)。日语中在问到“よく食べますか?”(你经常吃吗?)时,肯定时要用“よく食べます”(经常吃),否定时要用“あまり食べません”(不怎么吃)。习惯并能擅用的人可以说已经非常熟悉日语了吧。
セイン:そういった用法と関係があるかどうかよくわかりませんが、この前「普通においしい」と言っている若者を見かけました。これ、日本語として「普通の」表現ですか?
Thayne:不知道下面提的问题跟上面讲的有没有关联,前几天我听到一些年轻人用“普通においしい”(味道还可以),这在日语中很常见吗?
長尾:「普通の」とくれば、その後に「本」とか「クルマ」とか何か名詞がきて「特別でない何か」を示す言葉になります。「普通に」は、最近よく見られるようになった若者言葉で「普通においしい」「普通に雨が降っている」といった、副詞的な使い方をします。「普通においしい」の反対の表現は、「特別においしい」でしょう。「クセがあるけどおいしい」「慣れるとおいしい」といったものに対して、「素直に、飾り気なくおいしい」という意味が「普通においしい」だと思います。
また、同じ頃から流行し始めた表現に「なにげに」というものがあります。これは「なにげなく」「なにげなしに」から派生したもので、「とくに意図せずに」「さりげなく」という意味です。
また、同じ頃から流行し始めた表現に「なにげに」というものがあります。これは「なにげなく」「なにげなしに」から派生したもので、「とくに意図せずに」「さりげなく」という意味です。
长尾:一般日语中“普通の”后面会接类似“本”(书)、“クルマ”(车)的名词,表示没有什么特别的。最近流行的年轻人用语会把“普通に”当做副词来使用,比如“普通においしい”(味道还行)、“普通に雨が降っている”(雨势一般)。与“普通においしい”(味道还行)相反的表现应该是“特別においしい”(特别好吃)吧。与“クセがあるけどおいしい”(虽然存在口味问题,但味道还是不错的)、“慣れるとおいしい”(习惯了就觉得还可以)不同,“普通においしい”(味道还行)表达的是“素直に、飾り気なくおいしい”(坦率的,不加掩饰的好吃)的意思。同时开始流传开来的还有“なにげに”,从“なにげなく”、“なにげなしに”派生而出,表示“とくに意図せずに”(不是故意地)、“さりげなく”(若无其事的)。
セイン:「普通においしい」や、「なにげにおいしい」という表現は、現代の世の中に合った表現のような気がします。時代に合わせて言葉も変化してくるところが、「なにげにおもしろい」ですね。
Thayne:在我看来,“普通においしい”、“なにげにおいしい”是符合现代的用法。与时代变化相辅,语言也产生相应的变化,实在是莫名有趣啊!
(つづく)|(未完待续)