东京花祭 虎头蛇尾
きのうの朝、外に出ると青空が高かった。風はまだ強い。なんの気なしに東京・日本橋に行ってみた。東京駅八重洲北口から昭和通りへと抜けるさくら通りの並木は、散り残るべき花もなし、であった
昨日清晨,外出一望,蓝天高远晴空万里,不过,风尚且刮得很猛。漫无目标的我信步由缰来到了东京・日本桥。只见从东京站八重洲北口一直到昭和通大街的这条樱花通道两旁,道边树已光光秃秃,本该有所剩余的残花一朵没剩。
通り沿いの一角でバンドの音が鳴っていて、「さくら祭り」だという。生ビールやおつまみを出す模擬店が並ぶ。今年は開花が早かったし、一昨日来の風雨もあり、どうにも看板倒れではあるが、訪れた人々は髪をなびかせながら楽しんでいる
沿路有一角落传来了奏乐声,据说正在进行“樱花祭”,排列着一些出售生啤以及下酒食品的模拟店铺。由于今年开花早,再加上前天开始的那场风雨,多少有点儿名存实亡。不过,前来参与者们不顾被大风吹乱了头发仍然是兴致勃勃。
日本橋と八重洲の九つの町会の青年部「日八(にっぱち)会」が取り仕切る。例年、花の盛りより1週間ほど後にずらし、4月初めの催しとしている。そうでないと寒いからである。金曜から日曜までの3日間。今年は中日が荒天のせいで早じまいとなった
这是由日本桥和八重洲九个町会的青年部“日八会”联合举办的,历年来都是错后花期1周,大约在4月初举办,否则就太冷了。原定从周五到周日举办三天,可因为中日这一天气候恶劣,所以决定提前收场。
最終日は天気予報をにらみつつ、朝6時に決行を決めた。「どうしようかなと思ったけど」と竹内章雅(あきまさ)会長(51)が話す。お目当てがもう終わっているのを承知でやってくるお客さんをがっかりさせるわけにはいかない。心意気である
最后这一天就一直盯着天气预报,直到清晨6时才决定再坚持一天,“我也想过,这到底怎么办呀。”竹内章雅会长(51岁)如是说。明明知道最红火的时间段已经过去,可再一想,也不能让匆匆赶来的顾客扫兴而回呀。
花はなくても花に酒。昼下がりの酔い心地を味わう人々をうらやましく眺めることひとしきり。近くの書店に寄り、山口瞳のエッセー『酒呑みの自己弁護』(ちくま文庫)を買った。2010年刊
虽然看不到花了,可是鲜花尚须须美酒伴呀。这一趟不断地遇到了一些陶醉在午后飘飘欲仙状态中的路人,真的令人羡慕。就近,我走进了一家书店,买了一本2010年版的山口瞳随笔《饮酒的自我辩解》(筑摩文库出版)。
元は40年前に出た本で、かつて愛読した。山藤章二さんの挿画ともども、面白がっているうちに酒にまつわる礼儀作法が学べる仕掛けである。久方ぶりの対面を喜び、築地の職場に戻ると、風はいよいよ強かった。
原本这是40年前就已出版了的书,曾经还爱不释手。在欣赏山藤章二先生的插图的同时还能趁着盎然的兴趣学一些有关饮酒的礼仪规矩,这就是该书的构思。怀着久别重逢的欣喜回到位于筑地的工作处时,风越刮越猛烈了。
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